突風被害からの「奇跡」

がれきの中から見つかった「希望」

倒壊した工場から40年以上の時を経て奇跡的に発見された諸味を使用した醤油の物語

2021年5月1日の突風(竜巻)で醤油工場・貯蔵庫が全壊

想像を絶する自然の威力に足がすくみ茫然となったことを今でも鮮明に覚えています

140年余続いた醤油の諸味倉庫が3棟全壊となり、約150メートル四方の倉庫の全てが上から押し潰されたような状態、あまりの惨状に言葉が出ませんでした…

大切な黒豆諸味も瓦礫の下…

幸いなことにも
大切な従業員と製造ラインは無事でした。

必ず再建できると信じ抜いたからこそ、「今」があります。

甚大な被害に新聞、TVの取材が相継ぎ一時は

スーパーや販売店の棚から弊社商品が消えました。

御先祖様の導きか、神様からの贈り物なのか…

信じ難いことが起きました。
瓦礫の撤去作業中に諸味を圧搾機まで送る配管から約40年前の諸味(もろみ)が発見されました。

バケツ一杯分はありそうなこの諸味は密封された状態で熟成が進んでおり、しっかりとした味噌の香りと赤味噌の様な味わいがありました。


突風被害に遭い倒壊したからこそ、時を経て発見されたまさに「奇跡の諸味」
こんな事があるのか…私たちは信じられない思いでいっぱいでした。

復興に向けて

復興には災害ボランティアの方々をはじめ、地域の皆様、本当に沢山の皆様のご協力をいただきました。

屋根瓦だけでも1棟6,000枚×3屋=約18,000枚。

瓦礫の撤去・分別運搬は本当に多くの方々の労力が必要でした。

今、思い返しても頭の下がる思いと感謝の気持ちでいっぱいです。

隣接の工場を稼働させながらの解体撤去、

さらに倒壊倉庫の木材を活かしながら、新たに醸造蔵再建に取り掛かりました。

そして、仕込みの再開

素材にとことんこだわり、私どもが入手でき得る最高の素材と発見された「奇跡の諸味」を加えて挑戦した諸味づくり。

■材料は惜しみなく

最高の国産原料で

■手間を惜しまず

杉材麹蓋による手作業での麹造り

■日本の四季の力で

木桶による天然醸造2年熟成


竜巻被害で壊れた木桶を組み直して仕込みました。

醸造をサポートしてくれた同業者の想いも詰まった大切な諸味を使用し、おいしい醤油を心を込めて育てています。

沢山の皆様方のあたたかなご支援、ご協力をいただきながら、正規品は2024年春の発売を目指して研究と試行錯誤を積み重ねてまいりました。

奇跡がもたらした新たな希望と決意の結晶、「晴レノ日ノ醤油」

この醸造は単に商品を作るという以上の意味を持ち、私たちの社員やその家族にとって、希望の光となりました。新しい「晴レノ日ノ醤油」は、ただの醤油ではなく、失われたものへの敬意の表れでもあり、再生のシンボルなのです。

今後ともおいしいお醤油を皆様のお手元にお届けできるよう更なる精進を重ねてまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。